『劇場版 輪るピングドラム後編』感想

待ちに待った後編がついに公開されましたね!!🎉🙌👏恐らくメディア化されるのはこれが最後だろうと思い、張り切って舞台挨拶(ライブビューイング)を観に行きましたよ~!!

私は夜の部だったのですが、もうとにかく木村昴のトークがキレッキレで笑いを堪えるのに必死でした🤣そして荒川美穂さんがまさかのご懐妊!!!!わ~~~っ!おめでたい!監督がお祝いの花を贈呈するのですが、その時の言葉が「おめでとう、これがピングドラムだよ」で沸く会場www 幾原監督がおちゃめで可愛かったです❤

そして最後、舞台挨拶が終わる際に監督が「きっと何者かになれる」と言ってて思わず涙腺が崩壊しました。ピングドラムって今までずっと「きっと何者にもなれない」と視聴者に伝えてきたんですよ。きっと何者にもなれない。だからこそ今の自分を精一杯生き抜こう。それがピングドラムだと私は思っていました。諦めの中で希望を見つける…みたいなね。

しかし、11年という時を経て「きっと何者にもなれない」が「きっと何者かになれる」に変わった。希望一色に変わったんです。これは凄まじいメッセージですよ。しかもそんな希望のメッセージを監督の口から聞けるなんて…ファンとしてこんなに嬉しいことはありません!

当時、ピングドラムが放送してた頃はまだ学生だったのですが、あの多感な時期にこの作品と出会えて本当に良かったと改めて思いました。

さてさて。舞台挨拶も終わり本編に入るのですが、輪るピングドラムのテーマである愛とは?運命とは?生きるとはいったい何なのか。11年越しに答え合わせをしてきました。

 

※以下感想&ネタバレ注意

いや~~~!!開始早々のOPで涙腺を殺しにかかってきましたね!!!!まさかアニメOPのリメイクをやってくるなんて誰が想像したでしょうか!?しかもアニメでは高倉家が別々の方向に走ってたのに対し、映画ではみんな同じ方向に向かってる!!OPからすでに感じる圧倒的ハッピーエンドの気配に胸がドキドキしっぱなしでした😳アニメで繋がれることがなかった手が、映画では固く繋ぎあって終わるんですよ…初っ端からやってくれたな監督!!

ここからはテレビ版の総集編だったのですが、やっぱり百合と陽毬の話は涙なしに観れませんでした😭😭😭特に陽毬の過去が可哀想で可哀想で…。体中に絆創膏を貼ってたことを察するに、恐らく陽毬は母親に虐待を受けていたことがわかります。虐待されても尚、帰ってこない(自分を捨てた)母親をひたすら待っていた陽毬の心情を考えると胸が痛いです。

これは『承認欲求についての心理学考察』という論文で紹介されていた話なのですが、虐待を受けて育った子どもは親の虐待行為の原因を自分にあるのだと認知する傾向があるそうです。「親に暴力を振るわれるのは自分が悪いから。だからこれは罰なのだ」と考えてしまうケースが多いのです。この論文を読んだときはハッとしました。まさにピングドラムに出てきた子どもたちだと。百合、多蕗、陽毬、苹果、昌馬、冠葉の考え方はまさしくその通りなのです。幼少期時代に親からの愛情をもらえず成長した子どもは、大人になっても「承認」を求め続けてしまうのです。つまりピングドラムのテーマが『愛』なのは、幼少期に与えられなかった愛を誰かに与えてもらい、さらにそれを次の誰かに与える。「輪るピングドラム」の「輪る」が輪なのは循環を意味しており、さらに言えば輪廻を意味しているのだろうと、改めて理解しました。

なぜ輪廻か?それは、映画のキーポイントであった幼少の冠葉と昌馬が意味してます。運命の乗り換えで高倉家の子どもではなくなった冠葉と昌馬は、もう何者でもないのです。犯罪者の子どもたちというレッテルを貼られなくなったのは勿論のこと、陽毬のお兄ちゃんでもありません。しかし、物語の終盤で冠葉と昌馬は「僕たちは陽毬のお兄ちゃんだ!!」と言い放ち、陽毬が大切にしていたクマのぬいぐるみをペンギン達のいる箱に送ります。

すなわち、冠葉と昌馬は陽毬のお兄ちゃんであることを望んだのです。今回の映画の『きっと何者かになれる』というメッセージは、二人が一番望んでいた「陽毬のお兄ちゃん」になれるし好きなところにも行けるよ、もう君たちは自由なんだ。そんな希望に溢れたお話だったのではないかと私は感じました。

 

【印象的なシーンまとめ】

●「だから私のためにいてほしい」

アニメ18話のエンディングへの入り方が死ぬほど好きだったので劇場版ではどうなるか不安だったのですが、テレビ版と同じようにサブタイトルが出てきて嬉しかったです!!好きなんですよねあの演出😭💕

●「ありがとう。愛している」

まさかのこの言葉に対して、苹果ちゃんの返答がもらえるなんて思わなかったです!!!!「私も!」って言いながら昌馬に手を伸ばす苹果ちゃん…11年越しに想いが伝えられてよかったね(号泣)

●「愛してる」

海辺で泣いてる陽毬に駆け寄る高倉兄弟…とまさかの幼少期姿の多蕗、百合、真砂子、苹果!!!!!うわ~~~~!!!!この展開は熱い!!幸せ空間じゃんこんなん!!頼むからこの幸せな世界線に俺を飛ばしてくれ~~~!!!!と思っていたら、子供たちが観客に向かって「愛してる」と伝えるシーンでハッとした。そうか、私たちも彼らからピングドラムを受け取ったのだと。だから現実のカットが出てきたのだと。改めて凄いなこの作品は…。

 

11年という時を経て帰ってきた輪るピングドラムは、想像以上に愛とやさしさに包まれた作品となっててこの上なく嬉しいです!!ありがとう、愛してる。

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